※マークの染料は浸染不可 |
◆濃色 3%、淡色 0.3%、ブラックのみ5%:引き染め(刷毛染め)で染色、ネオフィイキサー30で固着処理 |
◆浸染(吸収染色)の場合はこのサンプルより10〜20%程度少ない量で同じ程度の濃度になります。(染色物重量に対する%) |
レマゾール染料の特徴
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引き染め(刷毛染め)、手描き染め(筆描き)、 捺染(スクリーン型などの型を使用)など、染色物の全体を同じ色で染色あるいは部分を染色するなどで染める方法が異なります。 |
レマゾール染料の鮮明さと、高い吸収性、堅牢度を発揮するためには、被染色物は十分に『糊抜き』『精練、漂白』がなされていることが大切です。布地の前処理が不適当ですと次のような弊害が出ます。 ○染めムラが出やすい ○染色濃度が上がらず。水洗時に染料が多く流れる ○染料液の浸透が悪い ○堅牢度が悪い ヨードチンキを布の端に一滴落してみます。液がすぐにしみ込み、色が茶色〜薄紫なら糊抜き、精練は必要ありません。濃い紫ならば糊抜き、そして液の浸透が悪い様でしたら未精練かもしれないので精練もしなくてはなりません。 ◆糊抜き 布を温湯に30分間浸け込んでおきます。摂氏70度の温湯1リットルにつき、ラクトーゼLを5〜10gノイゲンSSを5〜10g を溶かした液に1時間浸け込み後、温湯で十分に洗浄します。 ◆精練、漂白 未精練の布は、摂氏90〜100度の熱湯1リットルに対し、ノイゲンSSを5〜10g、苛性ソーダ液を25g〜100gを溶解し、布地を入れて、30〜60分間十分に撹拌しながら処理し、充分に水で洗浄して終了します。 |
布の前処理
木綿、麻などのセルローズ系繊維を布や糸の全体を染料液に浸け込んで染色します。染色浴の構成 染浴量 → 布の重量の20〜40倍 染料濃度 → 最高濃度で布の重量の 5%前後で淡色へは染 料(1%位)を減らす 無水芒硝 → 染浴1リットル対し、30〜50g ソーダ灰 → 染浴1リットル対し、20g 1)糊抜き、精練などの前処理の出来た布を別の 水で均一に濡らして膨潤しておきます。 2)染色浴に染料を適量の水でよく溶解してから加えます。 3)無水芒硝を必要量加えます。 4)染色浴を摂氏60度に熱し、濡らした布をつけ込み良く撹拌しながら、摂氏60度を保ちます。 5)染色開始後、30分でソーダ灰を加えますが、染めムラに成りやすいので、一旦、布を染浴から出してから、少量の水で必要量の 6)布を染浴に戻し、良く撹拌しながら、摂氏60度で 60分間、染色します。 7)染色終了後、水洗をし、出来れば湯洗をし、フイックス処理、水洗を行ない乾燥、仕上げを行ない終了します。 |
筆や刷毛を使用して、染料液を塗布、あるいは柄を部分的に描きます。ほかの染料とほぼ同様の方法で染色します。染色順序は次の通りです。 布地の前処理 ・ 染料の溶解 ・ 防染剤塗布 ・ 刷毛染めによる染色 ・ 油性防染剤溶剤洗い ・ ◆染料の溶解 レマゾール染料は、摂氏60〜70度の温湯で十分に撹拌しながら溶解します。加熱溶解はしないで下さい。他の薬品を入れなければ染料液は、20〜30日は安定です。 ※ターキスブルーGは固着を良くするために濃度調整した染料液1リットルに対して尿素を50g添加します。 ※ブルーBは溶解性向上のために濃度調整した染料液1リットルに対して尿素を30g 添加します。※染料液の安定性は低下しますがターキスブルーG、B、グリン6Bはソーダ灰を染料液1リットルにつき10g 添加すると染着濃度が向上します。 ◆防染剤塗布 蝋、ゴムリ、ダンマル液などの油性防染剤、もち糊などの水性防染剤を必要に応じて手置きあるいは型置きします。 ◆刷毛染めによる染色 引き染め、手描き染めで染色します。使用できる糊剤はアルギン酸ソーダやアルギン糊ペースト、トメゾールに限り使用できます。ほかの糊はすべて使用できません。筆で描くときに染料液が滲みますので滲まない程度に、これらの糊剤を加えます。 (引き染め)引き染め刷毛で布全体を染色します。事前に布へ糊地入れを行い、引き染め時の染めムラや、伏せのりへの染料の裏まわりを防止します。布全体を見る印染めには必須な作業です。 ●「アルギン糊ペースト」を水1リットル当たり30g〜80g(濃色ほど多く)溶解し、布全体に均一に刷毛で引き染めし、完全に乾燥します。伏せのりや、布の厚みなどにより増減します。 ●「伏せのり」の縁に溜まった液やだぶついた液は何もつけない刷毛で吸い取っておきます。 ●次に溶解、調色した染料液1リットル当たり、「アルギン糊ペースト」を30g〜50g加えて引き染めします。 (手描き染め)筆や刷毛で柄などを描く場合は、染料液に「アルギン糊ペースト」や水で溶解したアルギン酸ソーダを描きやすい程度に加え、にじみを防止して描きます。 ◆油性防染剤溶剤洗い(使用した場合のみ) 蝋、ゴムノリなどの油性の防染剤を使用したときは、ここでパークレンなどで洗浄します。パークレンは引火性がありませんので、50〜60℃位に暖めると早く溶解します。電磁調理器や、沸かした湯で湯せんをすると良いです。ガスやストーブなどの裸火にパークレンの気化したガスが当たると塩素ガスが出て非常に危険です。また、換気を良くして作業を行わないと気化したガスで中毒を起こすことがあります。布には水が付着しないように注意します。 いずれかの方法で処理します。次欄の各固着法を参照して下さい。 ◆水洗 フイキサーRCなどの反応固着剤と未固着の染料を洗い流します。フイキサーRCなどは確実に水で落すようにしないと後日に色が変色することがあります。 ◆湯洗 出来るだけ温度の高い湯で、また、大量の湯で未固着の染料を洗い流します。この時にサンクリンZを使用すると白場汚染することなく早く処理を終えることが出来ます。 ◆ソーピング 水1リットルにサンクリンZを5g入れ摂氏80〜90度で煮沸しながら、5分間位、染色物を入れ撹拌しながらソーピングを行ないます。 脱蝋するなら、この時に並行して行なうことが出来ます。 ゲンブ粒状石鹸を10g/リットル入れて脱蝋します。この時には、事前に蝋の部分を新聞紙で挟んでアイロンを当てて蝋を溶かし、新聞紙に吸い取らして置いてから、ソーピングすると早く脱蝋を終えることが出来ます。 ◆フイックス処理・乾燥 レマゾール染料は、水や洗濯に対する堅牢度は優れていますが、レマフイックス処理をすると更に堅牢なものに成ります。 引き染め・手描き染め、捺染の各種の固着法〔フイキサー固着法〕 従来からのフイキサーRCと高速短時間反応のネオフイキサー30とがあります。 ◆フイキサーRC法 1)フイクサーRCを布の両面にたっぷりと塗布します。刷毛で塗布するときはナイロン刷毛を使用します。フイクサーRCは比較的、強 いアルカリですので普通の刷毛ではすぐに痛んでしまいます。 2)器に入れたフイキサーRCの中ヘ浸け込んで処理も出来ます。十分にムラなく、たっぷりと付いたのを確認して引き上げ、軽く絞ります。 3)冬季など気温の低いときはフイキサーRCの粘度が高く塗布しにくいので摂氏30〜40度に暖めると処理しやすくなります。 4)フイキサーRCを塗布の後、乾燥しないようにポリ袋に染色物を入れて、摂氏20〜30度で最低4時間以上放置します。特に冬期は摂氏20度以下にならないように注意して下さい。24時間以内でしたら、特に色相には問題はありません。 5)次工程の水洗に移ります。 ※注意 塗布する刷毛、器には絶対に水分の付いていないものを使用します。フイキサーRCに水分が混入すると、染めムラの大きな原因になります。フイキサーRCは、アルカリですので目に絶対に入らないように注意し、また取り扱うときにはゴム手袋を使用します。 ◆高速反応ネオフイキサー30法 フイキサーRCと比較して、極めて短時間(30分)で反応処理が完了します。オレンジ3R、グリン、ターキスブルーを使用したものは60分位が最適です。ポリ袋に入れる必要はありません。フイキーRCに比べ、粘度が無いので塗布しやすく、少量で済みます。また、水洗が早く終了します。 (工 程) 1)レマゾール染料による引き染め、手描き染め 捺染 2)乾燥 3)ネオフイキサー30の原液塗布 4)30分から60分の放置 5)水洗、レマフイックス処理、仕上げ ※注意 ネオフイキサー30を塗布する時は、ナイロン刷毛を使用して下さい。 塗布忘れは致命的な染めムラになります。布 裏からも塗布して下さい。つけ込みで処理される場合は軽く絞って下さい。 *塗布後の放置時間30分から60分間はフイキサーRC のようにポリ袋に入れる必要はありません。 〔蒸しによる固着法〕 レマゾール染料を蒸しで固着するには、濃度調整された染料液1リットルに対して、次の薬品を配合します。 〔重曹 20g 〕 〔尿素 10g 〕 〔ディポールHL 10g 〕 1)この染料液をつくるときには、必ず常温の水を使用して下さい。加熱や熱湯は避けて下さい。染料液を薄めるときは、上記配合の水溶液で薄めます。 〔アルカリショック法〕 1)デイポールHLを染料液1リットルにつき、10g 加えて引き染め、手描き染めします。 2)固着処理は極めて短時間で終了しますが、濃色で色が少し動くことがあります。この予防としては染料液にアルギン酸ソーダを少し加えて引き染め、手描き染めしておきます。 〔ソーダ灰 150g〕 〔食 塩 200g〕 〔炭酸カリ 50g〕 〔苛性ソーダ 30g〕 5)10秒位ののち、引き上げ、すぐに十分に水洗します。 ※注意 容器はステンレス製以外は使用できません。液に入れる前の染色物には絶対に水が付かないように注意します。液は強アルカリですので絶対に目に入らぬように注意し、皮膚に付いたら、直ちに十分に水で洗って下さい。 |
捺染糊を型紙などを利用してヘラやスキージなどで染料と混合された糊を印捺し、布に染色します。 〔フイキサー固着法〕 捺染の糊は、アルギン酸ソーダを水1リットルに対し、50g 溶解します。 上 記 の 糊 600g 染料 5〜50g/水300cc X 計 1kg 上記位が適当な粘度ですが、お好みによって水の量で粘度を調整します。印捺後、乾燥、フイキサーにより処理します。 〔蒸しによる固着法〕 重 曹 20g 尿 素 30g〜50g ディポールHL 10g 染料5〜50g /水300cc X 以上の薬品を水1リットルにアルギン酸ソーダ、50g を溶解した糊、600gに混合し、全量を1kgにします。 ※注意 1)上記の糊を捺染します。 乾燥後、蒸しを5〜10分間行ないます。10分以上かけると染料が分解して色が薄くなることがあります。 3)水洗→湯洗→ソーピング→フイクス処理→乾 燥以上で仕上げます。 〔アルカリショック法〕 上 記 の 糊 600g ディポールHL 10g 染料5〜50g/水300cc X 計 1kg 1)上記の糊を捺染します。 |