染料を使用して、木綿、麻、シルクなどの染色を行うのに必要な助剤の説明です。詳しい処理、行程は各染色法の頁を参照して下さい。一般的な助剤を掲載しています。掲載されていない助剤についてはお尋ね下さい。

精練・糊抜き用助剤---木綿・麻

◆ラクトーゼL

木綿や麻には澱粉糊が多く付着していますので、染色前には、ラクトーゼLで糊抜きを行ないます。
※布をあらかじめ温湯に30分間つけ込み布を膨潤して置きます。摂氏70度の温湯1リットルにつき、ラクトーゼL、5〜10g、ノイゲンSS、5〜 10gを溶かした液で1時間程度つけ込み後、温湯 で十分に洗浄します。

◆粉末糊抜き剤
木綿、麻の澱粉及び、化学糊用の糊抜き剤です。
※布をあらかじめ温湯に30分間浸け込み、布を膨潤して置きます。摂氏50度以下の温湯1リットルに対 し「粉末糊抜き剤」を5g 、ノイゲンSSを5〜10gを加え、布を繰りながら摂氏70度位にまで温度を上げてゆき、30〜40分で終了し、その後、湯洗を十分に行ないます。

◆ノイゲンSS

染色前処理の糊抜き、精練の助剤に使用します。非イオン系の洗浄剤です。
※通常、1〜10g/リットル使用します。

◆苛性ソーダ液
木綿・麻を精錬するときに使用します。1kg 中に固形の苛性ソーダを49g含んでいます。劇物の指定にはなりませんが、強いアルカリですので、取扱には十分に注意してください。


染料溶解剤---木綿・麻・シルクの引き染め、手描き染め用 及び 浸染用

◆染料溶解剤PMC
酸性、含金属酸性、直接、シリアスの各染料の溶解に使用します。染料の溶解が悪いと、手描き、引き染めには使用しにくいのはもちろん、水洗時の色はきが多い、染めムラが出来る、発色が悪い、などが起こります。この溶解剤は安全で効果的ですので、溶解の問題のない染料にも入れて置かれても良い結果が得られます。濃色での色の銀バリ、表面染着の防止にも効果的です。沈殿しやすい染料にも効果的です。
※染料と同量位の本剤を練合せ、水または、温湯を加えて、良く撹拌しながら、軽く沸騰するまで加熱溶解します。

◆ミラソープKN

 ナフトール染料のソルトの分散剤として又、安定剤として使用します。水1リットルに本剤を5cc加えて溶解します。ソーピング剤も兼ねます。

◆スレン溶解剤WS
スレン染料を溶解して高濃度液をつくります。使用法はスレン染料の頁を参照して下さい。


布の地入れ---木綿・シルクの引き染め、手描き染め用       

◆地入れ剤プロティンFB

絹及び、木綿を酸性染料、直接染料で引き染め染色する前に使用して、染料液の防染へのニジミ、乾燥ムラ等を防止します。引き染め染色前に次の液を塗布、乾燥して置きます。詳しい塗布の注意は絹の引き染めの頁を参考にして下さい。

中色用地入れ液の構成(1リットル用)

   プロティンFB     50g
      水        1,000cc 

濃色濃度が高いほど多く、薄くなるほど減らします。

◆大豆粉

大豆を粉末にしたもので、短時間で豆汁が作れます。布に染色前の地入れをする時や、紅型の顔料の固着に使用します。
※水に溶解して、1〜3時間後に#2000 のスクリーンあるいは、木綿袋で濾過します。


引き染め専用特殊助剤---シルク・木綿・麻用---手描き友禅・ローケツ・無地染め

◆ニュースタックFPN
絹引き染め用の総合助剤です。染料液の乾燥ムラ防止、染料液の耳寄り防止、刷毛ムラ防止、特に耳寄りは、まず起こしません。生地のたてさしがでにくくなります。引き染めの専門家でなくても少しの経験があれば着物地13mを美しく引き染めすることが可能です。但し、染料は酸性染料を使用し、含金属酸性染料は避けます。淡色、中色はもちろん、濃色にも効果的です。精錬ムラ、水分の吸収ムラに比較的、敏感に反応しますので、染色前に布を湯通し、又は水洗を行っておいたほうが安定した引き染めが行えます。染色前の地入れは、通常の糊濃度の50%程度にしておきます。それらが完全に乾燥してから、引き染めを行います。詳しくはニュースタックFPNのページをご覧下さい。

※調色した染料液1リットルに対し、中色で50gを目安にし、淡色ほど減らし、濃色ほど70gまで増やします。


浸染専用助剤---シルク・木綿・麻用---浸染

◆シルクギャラクシー

絹の酸性、直接染料による浸染において最も大切な絹独自が持つ光沢、及び触感を損なわないような効果と、釜スレ、ウインスによる機械的スレの大幅な軽減と、下記の特徴をあい持った画期的な「浸染、煮染用の染色助剤」です。
1--鮮明な色相と各堅牢度の向上
2--布の平滑性と光沢の付与
3--防縮性と優雅な触感
4--染色中の化学的結合による絹の損傷防止

※染色工程の最初から染浴1リットルに対して、2〜3g加えて置きます。

◆無水芒硝

シリアス、反応染料などを使用して木綿・麻の浸染を行うときに使用する吸収促進剤です。使用量は各染色法をご覧下さい。

◆酢酸90%

酸性染料、含金属酸性染料などを浸染で染色するときに使用する吸収促進剤です。その他に、藍染めのアルカリの中和や酸くりにも使用します。


均 染 剤 ---木綿・麻・シルクの引き染め、手描き染め用 及び 浸染用

手描き友禅や、手描き染め、引き染め、浸染などの吸収ムラ、染めムラ、配合染料の分離の防止に使用します。

◆ミリカゾールP (刷毛染め用)

酸性染料、含金属酸性染料、直接染料などでの、絹、木綿の引き染めや、手描き染めに特に適応する様に調製された優れた効果を持つ刷毛染め専用の均染剤です。配合染料の染め足を均一化し、染料によって緩染と促染の機能が別々に働いて均染効果を出します。浸染には使用できません。当店の泣き止め剤やラメクリスタルガムなどとは併用できません。

※染料液1リットルにつき、淡色で30〜40g,中色で 20〜30gを加えて染色します。

◆アミラジンSD (刷毛染め用)

酸性染料、直接染料の絹や木綿の手描き染め、引き染めに使用する緩染型の均染剤です。特に染着が早くてムラがでやすい染料や、淡色の無地染めやボカシ染めに使用します。例えば染色する布の端の部分に染料をつけてみて、水のクマが徐々にできるとか、混色した染料液が分離してくるような場合に使用すると効果的です。

※染料液1リットルに対し、淡色で10〜20g・中色で1〜5gを加え、刷毛染めの場合は試験布に染料液を落としてみて、染着状態を試験観察しながら、効果が薄ければ少しずつ追加します。布に塗布した染料液のまわりに水泣きや、染料の分離が起こらない最小限を使用します。過剰に添加すると染め上がりの濃度が薄くなることがあります。

◆アミラジンL−33(主に浸染用)
酸性染料、直接染料の絹や木綿の浸染に使用する緩染型の均染剤のポピュラーなものです。特に染着が早くてムラがでやすい染料や、淡色から中色の浸染には最初から使用しておきます。

※染色浴1リットルに対し、淡色で1g・中色で2g--濃色は通常必要ありません。
浸染では上記量をそのまま加えます。 過剰に添加すると染め上がりの濃度が薄くな ることがあります。

◆ヒットオイルV(主に浸染用)
浸染用の均染剤としては最も効果的です。シリアス染料、酸性染料、含金属酸性染料、分散染料の浸染への使用により、高い均染性と浸透性により、安定した染色が可能になります。

※染色の最初から染浴に対して淡色で0.3%、中色で0.1〜0.2%添加して染色します。冬期は3倍位の温湯で溶解してから投入して下さい。

◆ニュースモロー

シリアス染料、酸性染料、含金属酸性染料の浸染への使用により、均染効果と浸透性のアップを得ることが出来るコストパーフォマンスの優れた製品です。その他、脱色助剤、糊抜き助剤としても効果的です。

※浸 染→染浴1リットルに対して、染色の最初から1〜3g加えます。淡色ほど多くします。
脱 色 → 処理浴に対して、0.5〜1%加えます。 糊抜き→ 処理浴に対して、0.5〜1%加えます。精 練 → 処理浴に対して、0.5〜1%加えます。


浸 透 剤--木綿・麻・シルクの引き染め、手描き染め用 及び 浸染用

◆ノイゲンP

植物染料以外のあらゆる合成染料に使用出来る浸透剤です。引き染め、手描き染め、浸染の時に布への染料液の吸収が悪い場合、蝋やダンマル液への染料のかぶりを調整する時などにも使用します。多く加えすぎると、引き染め時に耳寄りを起こします。

※出来るだけ少量を吸収状態を見ながら加えます。染料液1リットルに対して、5〜10g加えます。

◆ダイトーンS

撥水加工、ガード加工した布や、ダックやカラーゾールなどのフッ素系の防染剤を使用したものへ染料液を浸透するのに使用します。他の浸透剤では効果が弱いので、この製品を使用します。

※染料液1リットルに対し、10〜100g加えるか、また はダイトーンSを水、100cc につき、20g 加えて撥水加工、ダック、カラーゾールの部分に塗布し、その後に染料液などを塗布します。

◆ロート油

やし油から取った浸透剤で以前は最もポュラーなものでした。多く加えると、蒸しの時に染料が泣くことがあるので、出来るだけ、少量を加えます。
※出来るだけ少量を吸収状態を見ながら加えます。


加工糊剤-木綿・麻・シルクの引き染め、手描き染め用

各種の染色法、抜染法などに応じて、すぐに使用出来る様に加工した、液体ペースト状の糊剤です。

◆泣き止め剤

手描き友禅やその他の手描き染め用の染料液に混合して、粘度調整を行ない、描く時の染料液のニジミを防止します。流動性、浸透性の良い糊ですので、手描き友禅には最も適しています。植物性の非イオン系の糊ですので抜染剤(デグロリン、ロンガリット)などにも使用できます。反応染料には使用できません。

※染料液がにじまない程度に適量を加えます。カゼインを多量に併用すると糊が変質することがあります。

◆LBニジミ止め剤

ニジミ防止効果はNO.1です。合成樹脂から出来た手描き友禅用の染料液のニジミ防止剤です。少量で効果が強く、良く止まりますので染料液のドロツキが少なく、さらりとした状態で彩色が出来ます。特に、ダックの彩色には最も適しています。染料液と混合後、日数がたっても染料液がドロつかず、安定しています。ニジミ防止効果が強力ですので、小さな柄を彩色するのに適しています。カゼインと併用すると糊落ちが悪く、布の風合いを損ねます。

※染料液がにじまない程度に適量を加えます。 カゼイン胡粉との併用は出来ます。

◆トメゾール

手描き染め、手描き友禅せ使用する染料液ニジミ防止剤です。比較的ニジミ防止効果は良いのですが、経時により少し沈殿し易い様です。アニオン系の糊ですので、カゼインとは良く併用出来ます。反応染料にも適しています。

◆抜染用糊SVC
デグロリン、ロンガリットを加えて、型を使用しての酸性、直接、反応染料の部分抜染を行なう時に使用します。抜染剤の効果を向上する薬品が添加されています。

※適度に水で粘度調整した本剤にデグロリン、ロンガリットを10〜20g加えて使用します。


各種糊剤 ---木綿・麻・シルクの引き染め、手描き染め用

天然ふのり以外は粉末になっていますので、水や温湯で溶解して使用します。

◆アルギン酸ソーダ

反応染料の手描き染め用の糊や地入れ用、捺染用の糊として、又、酸性、直接染料の種々の染色法の糊として使用します。腐敗すると、粘度が無くなってきますので、「防腐剤DLP」を糊の出来上がり量に対して、2〜3%加えて置きます。金属分を含んだ水に出会うと、糊落ちが悪くなりますので、その防止として、「トリポリリン酸ソーダ」を「アルギン酸ソーダ」の粉末100gに対して10g加えて置きます。
手描き染め用糊---アルギン酸ソーダ 30g・水 1リットル・トリポリリン酸ソーダ 3g・防腐剤DLP 20g
捺染用糊--------アルギン酸ソーダ 50g・水 1リットル・トリポリリン酸ソーダ 5g・防腐剤DLP 20g

◆メイプロガムNP

反応染料以外の合成染料の捺染糊、又、抜染用の糊として使用出来る非イオン系の糊です。「ラメクリスタルガム」に比べて糊の粘度が高く作れ、糊のキレがサククなります。その分浸透性は悪くなりますので、捺染用の糊としては「ラメクリスタルガム」と配合するのが良いでしょう。

※捺染用糊→水1リットルに対し、メイプロガムNPを200g、「防腐剤DLP」を20cc加える。

◆ラメクリスタルガム

反応染料以外の合成染料の捺染糊、手描き染め用の糊としても使用出来る流動性、浸透性の良い糊です。又、抜染用の糊としても使用出来る非イオン系の糊です。

※捺染用糊→水1リットルに対し、ラメクリスタルガム300g、メイプロガムNP100g,「防腐剤DLP」20ccを加える。
※手描き染め用糊→水1リットルに対して、200g、「防腐剤DLP」20ccを加える。

◆CMC

合成染料の捺染用の糊として使用します。金属分を含んだ水と反応して糊落ちが悪くなります。

※水1リットルに対して、CMCを50g、「防腐剤DLP」を 20cc加えて置きます。

◆ふのり

 特有の流動性、浸透性を持った天然の糊です。現在でも引染めや洗い張りには多く使用されています。水1リットルあたり5〜6†K程度のふのりを、焦がさないように撹拌、溶解し、#1200のスクリーン紗で濾過します。植物染料の糊として使用するときは、同量程度の酢酸を添加しておきます。防腐剤は「防腐剤204」を使用します。

◆タラカントガム

 捺染、手描き染めの染料の糊として使用します。流動性の良い糊です。水1リットルに50〜60g入れ、柔らかくしてから、ゆっくり加熱、溶解します。#1200のスクリーン紗で濾過します。防腐剤は「防腐剤DLP」を使用します。

◆アラビヤガム末

染色では胡粉の接着や、手描き友禅でのデグロリンによる抜染胡粉に使用します。耐水性はありません。

◆カゼイン

手描き友禅の胡粉の接着や、紅型の顔料の接着に使用します。既にホウ砂が配合されていますので、熱湯で溶解するか、軽く火に掛けて溶解します。「防腐剤204」を1〜2%添加して置きます。


防 腐 剤

染料液や糊に加えて腐敗、カビを防止します。

◆防腐剤204

染料液や糊の種類を問わず、使用出来る強力な防腐剤です。防腐、防カビ効果は絶大ですが、有臭ですので、気になる方は次の「防腐剤DLP」を使用して下さい。

※染料液、糊1リットルに対して5〜10cc 加えます。

◆防腐剤DLP

染料液や糊の種類を問わず、使用出来る強力な防腐剤です。無臭で、特に糊に対して効果的です。チタン胡粉は防腐剤204がお勧めです。

※染料液又は、糊1リットルに対して、10〜15cc 加えます。


フイックス剤 ---木綿・麻・シルクの引き染め、手描き染め・浸染用

染色後の耐水堅牢度の向上のために使用します。染料またはは布のの種類によって使い分けます。

◆シルクフイックス3A

絹を染色したものの色止め剤です。染色物の摩擦、耐水堅牢度を向上します。

※蒸し、水洗後に処理します。水1リットルに10〜20gの本剤を加え、室温で20分間、浸け込みます。直接に水に入れると、溶解しにくいので、少量の温湯で溶解した後、水に加えます。軽く水洗して仕上げます。

◆フイックスオイルA

シリアス染料、直接染料を使用した染色物の摩擦、耐水堅牢度を向上します。

※染色物を水洗後、水1リットルにつき、10〜30cc加 え、室温で10〜20分間浸してから引き上げ、軽く水洗してから、乾燥、仕上します。

◆レマフイックス

レマゾール染料やプロシオン染料を使用した染色物の摩擦、耐水、ガス退色抑制の各堅牢度の向上に効果があります。

※染色物を水洗後、水又は温湯1リットルにつき、10〜30ccを 加え、20分間浸してから、引き上げ、軽く水洗して、乾燥、仕上げます。


染色後処理---木綿・麻・シルクの引き染め、手描き染め・浸染用

◆サンクリンZ

あらゆる染料で、あらゆる染色技法での染色後の水洗時に使用します。水によって流出した未固着の染料で白場が汚染されるのを防止します。色流れの多い物の水洗でも安心して水洗ができ、水洗時間が短縮できます。各種の染料と特に結合しやすい洗剤の一種です。

※染色物の水洗時に水1リットルにつき、サンクリンZを10〜20cc溶かした水で、5〜10分間水洗します。特に汚染の心配の多い物には湯沸し器などで温湯を流しながら徐々にサンクリン Zを加えながら水洗して下さい。

◆ミラソープKN     

ナフトール染料、スレン染料、のソーピングに使用します。これらの染料は十分にソーピングしないと染料本来の発色が得られません。また摩擦堅牢度も悪くなります。

※熱湯1リットルにミラソープKNを2〜5ccとソーダ灰を1〜5gを加え、10〜30分間、出来るだけ温度を上げてソーピングします。

◆藍染めコート剤#55

絹、木綿の藍染め用に開発された湿式、乾式摩擦堅牢度向上剤です。藍染めした物で染色仕上後も摩擦で色の付く染色物の摩擦堅牢度を確実に2〜3級向上します。加工後の風合いも他製品に比較して、柔軟です。更に藍の濃度、色艶も向上します。

藍以外の他の染色法で染められた布への処理も好結果が得られます。

刷毛引き→1リットルの水に100 〜200cc

浸け込み→1リットルの水に 50 〜100cc

 上記量の本剤を刷毛引き、あるいは浸け込みにて処理し、乾燥します。浸け込みの場合は適度の脱水を行なってから乾燥します。乾燥後、ベーキング、あるいはアイロンがけを行なって下さい。

◆ハイソフター

染色後、何かの理由で布の風合いが固くなってしまった時に使用する仕上げ用の柔軟剤です。布の種類は問わずに使用出来ます。

水1リットルにつき、ハイソフターを20〜50g 加えて、刷毛引きし乾燥します。あるいは浸け込み、軽く絞って乾燥します。


溶 剤      

蝋やゴム糊などの油性の防染剤などの濃度や粘度を落す時や、あるいは洗い流す時に使用します。以下の溶剤を取り扱う時には換気を良くし、防臭マスクや防護手袋をして下さい。地中や河川に廃棄することは出来ません。

◆トリクレン( トリクロロエチレン)

引火性のない不燃性の塩素系溶剤です。染色ではダンマル液やゴム糊を薄めるのに使用します。裸火(ストーブの火など)に本品の気化したガスが触れると塩素ガスが出て人体に有毒です。

◆パークレン( パークロロエチレン)

引火性のない不燃性の塩素系溶剤です。塩素系の溶剤の中では最も安価ですので、大量の脱蝋を行なう時に使用します。蝋はパークレンを暖めて(湯せん)して液温を上げて洗った方が良く落ちます。裸火(ストーブの火など)に本品の気化したガスが触れると塩素ガスが出て人体に有毒です。

◆ゴム揮発油

ゴム糊を薄める時やゴム糸目を布に良く浸透させるために布裏から塗布する揮発地入れに使用します。しみ抜きにも使用します。
引火性がありますので注意して下さい。
発送不可

◆ベンジンN

ゴム揮発油に比べて乾燥が早いので、揮発地入れに使用する場合、ゴム糸目が太くなったり、つぶれてしまうのが防げます。特に冬期に乾燥に時間のかかる時に使用すると効果的です。引火性がありますので注意して下さい。発送不可

◆シンナーA

乾燥したバインダーや樹脂を溶解除去したり、紗張りのカシューやウレタン樹脂を薄めたり、油性の金糊を薄めのに使用します。引火性がありますので注意して下さい。発送不可

◆酢酸アミール

油性の金糊を薄めたり、布に付着して乾燥したバインダーを溶解して取り去るのに使用します。引火性がありますので注意して下さい。発送不可

◆ターペン

型用の油性防染剤を希釈したり、型を洗浄するのに使用します。発送不可


脱 色 剤

 酸性染料、シリアス染料、反応染料などで染色した布の全体を脱色したり、部分的に抜染するのに使用します。

◆デグロリン

部分抜染に使用します。水には溶解しませんので糊にからめて型で印捺、あるいは手描きします。糊は型に使用する場合は「メイプロガムNP」、手描きの場合は「ラメクリスタルガム」を使用します。もちのりも使用できます。粘度調整した糊100 に対して、デグロリンを10〜20g加えます。添加する前に少量の水で分散して練りこみます。乾燥後、蒸しを3日以内に掛けます。蒸時間40分です。その後、水洗します。

◆ロンガリット
部分抜染に使用します。水や糊に溶解混合して使用します。デグロリンに比べると抜染力は強力ですが、布に塗布したら出来るだけ早く蒸しを掛けないと効果がなくなってしまいます。 カゼインと混合できますので抜染胡粉として使用できますが塗布後、早い時間に蒸しを掛けます。酢酸を少量添加して使用する場合は、塗布しながら、布裏からコンロなどで熱を掛けるだけで徐々に色が抜けてきます。
処理後には水洗が必要です。

※総液(糊)量100に 10〜15%加えます。

○ロンガリット 100†K入、500†K入

◆ハイドロコンクポーダ

各種の染料の布全体の抜染に使用します。

※熱湯1リットルにつき、20〜50gの「ハイドロコンクポーダ」、「抜染助剤S-300」を20〜50g加えて布を入れ、良く撹拌しながら、更に加熱します。「抜染助剤S-300」を併用すると効果が良くなります。

◆改良三品抜き

小さな部分抜染には最も効果的です。氷酢酸、亜硫酸液、亜鉛末の3ツを組み合わせるのでこの名前が付いています。

※氷酢酸5、亜硫酸液4、亜鉛末1を練合せて、すぐに抜染部分に塗布し、熱した平コテに濡 れタオルを当て一気に蒸気を強く出して抜染し、水洗します。

◆抜染助剤S-300
 還元抜染剤の補助剤でか。染料と非常に結合性の高い洗剤の一種で洗浄力と還元抜染剤の両刃で抜染効果を向上します。
特に含金属酸性染料には効果が大です。デグロリンやデグロリンソルブルコンク、ロンガリット、ハイドロコンクポーダなどの還元抜染剤に加えて使用します。

※ハイドロコンクポーダの場合はは等量を使用し、デグロリンやデグロリンソルブルコンク、ロンガリットの場合は、糊や水、抜染剤総量の3〜5%を加えます。処理ののち、十分に水洗します。

◆ネオ抜染剤SK-600

 絹布製品の浸染、または引染めの蒸し、水洗の終了した仕上り品の抜染を行います。本剤のみで型により印捺し、蒸し、水洗をすると、含金属酸性染料で60%程度、酸性染料で40〜50%程度、抜染することができます。染色加工の半抜模様にも対応でき、還元抜染のように色相が変わらずに、そのままの色相で濃度を薄くすることができます。又、デグロリンなどの還元抜染剤を10%加えると、今まで抜けにくかった、含金属酸性染料も抜染することが可能です。