顔料着色抜染用バインダー

ディスバインダーDKT

 染まった布にネオカラーで柄を描いても、布の色にネオカラーが負けてしまいます。この場合は、マットバインダーやホワイトをネオカラーと併用して、染まっている色に乗せて、隠蔽しネオカラーを着色します。立体感のある柄や文字ならいいのですが、優しい花柄や模様には不向きで、風合いも堅くなります。ディスバインダーDKTを使うと、かなり透明感のある染料に近い発色を得ることが出来ます。 
 ネオカラー(液体顔料)と還元抜染剤「デグロリンソルブルコンク」と本剤を混合して、染色済の布に印捺し、乾燥後にアイロン等の「熱処理」あるいは「蒸し」をかけると地色の染料が抜染(基本的には白くなる)され、混合したネオカラーが着色されます。
木綿、麻、絹の布に使用出来ますが、抜染性に優れたシリアス染料、レマゾール染料、酸性染料で染色されていることが前提になります。ネオカラーはデグロリンソルブルコンク耐性の優れたもの(4−5)を使用します。
※性状
    外観     乳白色エマルジョン
    pH      弱アルカリ性
    イオン性   カチオン
    組成     アクリル系共重合物



                    ※配合処方(全て重量比)

熱処理法(アイロン等) 蒸し法
デイスバインダーDKT 100 100
ネオカラー 〜10 〜10
尿素 不要
50%デグロリンソルブルコンク 〜20 〜20


 デグロリンソルブルコンクはあらかじめ水で2倍(重量)にしておきます。デグロリンソルブルコンクは、完全には溶け切れませんが、無視して全量を使用します。(50%デグロリンソルブルコンクと呼称)
 処理方法が2つあります。アイロン等による熱処理法と蒸しによる方法です。蒸しによる方法は設備や工場がないと出来ませんので通常は熱処理の方法で処理します。

デグロリンソルブルコンクを一旦、混合してしまうと日持ちがしませんので、半日位で使用しきれる量を配合して下さい。熱処理や蒸しなどは12時間以内に処理して下さい。
抜けにくい染料、抜けない染料で染色された布や、抜染効果が悪い場合は、思った色にならない場合があります。また、染めてある染料が抜けるか、抜けないかは実際やってみないと分かりません。


                         ※工  程

1)染色済布 へ前記の配合処方で作った、ディスバインダーDKT混合物をプリントあるいは刷毛で刷り込みします。
2)一旦、乾燥します。
3) 熱処理150℃ 5分(アイロンの場合、中温(150℃位になったもの)で抜染する部分の裏側に当て、焦げないように動かし、3〜5分処理します。(布によっては当て布が必要)又は、蒸しを5〜10分かけます。
4) 水で洗って、乾燥し終了です。

                            
※使用可能なネオカラー

●エローM3G(4-5)  ●ゴールドエローMGR(4-5)、 ●ゴールドエローMFR(4-5)、 ●ピンクMB(5)、
●バイオレットMFB(4-5)、 ●ブルーMG(5)、 ●ブルーMB(5)、 ●ネビーブルーMB(5)、 ●ダークグリンMG(4-5)、
●ブラックMK(5)

 カラー名の後の(数字)はデグロリンソルブルコンクによる耐性の数値で最高で5です。数値が高いほど変色がありません。(1〜5の階級があり、5の場合は変色認められず、4の場合は極めて若干変色あり)
よって4-5のものは、使用可能の範囲ですが配合色によっては幾らかの変色があることをお含み下さい。
特に3原色配合で調色した場合は変色が大きくなる場合があります。

上記のの加工に必要なものをセットにしたネオカラー顔料着抜セットは下記から
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