建染染料 スレン染料

木綿・麻などを高堅牢度に染色する染料です。日光堅牢度が特に優れています。


 スレン染料は木綿、麻などの植物性繊維を染色します。日光、洗濯に非常に強いので実用品の染色に適します。Gパンやのれんなどに最適です。主に浸染で染色します。比較的、低温で染色できるのでローケツ染めや絞り染めにも使用できます。混色は可能ですが、溶解時と染色後の色相が大きく異なるので事前の試験が必要です。

〔浸染染色浴〕
 
染料量→染色物の重量の 1%以下(薄色)
            1〜3%(中色)
            3〜5%(濃色)
 ハイドロコンク   → 染料と同量  
 スレン溶解剤WS   染料の20倍重量
以上を摂氏60度の少量の温湯で溶解する
 

 (上記の染料と薬品の混合したものを下記に加える)

 染色物の重量の20倍量の温湯(摂氏50〜60度)
 苛性ソーダ   計量した温湯1リットル当り、6g
 ハイドロコンク 計量した温湯1リットル当り、4g
  
以上全てで染色浴とする


 染色物の重量を計り、20倍量の摂氏50〜60度の温湯を用意し、温湯1リットルあたり、4gのハイドロコンクと苛性ソーダ6gを加え、染色浴とします。これとは別に事前に計量したスレン染料と同量のハイドロコンク、スレン染料の20倍重量のスレン溶解剤WSを混合し、摂氏50〜60度で5〜6分加熱溶解します。摂氏60度以上になると変色する染料があるので温度をそれ以上あげないようにします。溶解したら染色浴に直ちに混入します。10分後から染色開始します。
◆濃色の染色では、染着濃度をあげるために、無水芒硝を染色浴1リットル当り、30g加えておきます。
◆薄色の染色は染料の吸収が早すぎて染めムラが起こりやすいのでスレラジンVSを出来上がった染色浴1リットル当り、3cc添加しておきます。      

染色順序

■染色物の湿潤
 事前に別の水に染色物を浸け込んでおきます。
■染色
 摂氏60度にした染色浴に、軽く水を切った染色物を浸け込み、染色を開始し、10〜40分間染色します。温度は低下してきますが加熱はしません。摂氏60度以上になると変色する染料がありますので注意します。
*こまめに丁寧に攪拌してください。染色浴を乱雑に攪拌すると染料の酸化が進み染着が悪くなります。
 空気を染色浴の中に巻き込まないように攪拌します。
*染色物を液面に出さないように注意します。
*ローケツ染めでは摂氏30度位から染色します。 但し、染めムラが出来やすいので、良く攪拌して下さい。
■空気酸化 
 染色物を引上げ、脱水して、良く広げて空気を通します。これで空気により酸化されて染料が発色してきます。この間、約10分です。
■水洗 
 染色物を十分に水洗します。
■中和 
 苛性ソーダ成分が残留しているので水1リットルにつき、2ccの酢酸90% を加えた液に30秒間浸け込み、酸くりを行います。
■ソーピング 
 タンクにたっぷりの湯を用意し湯1リットルにつき、2〜5ccのミラソープKNとソーダ灰を1〜2g加え、摂氏70〜90度で15〜20分間、加熱、攪拌します。
■水洗、仕上げ 
 時間がきたら染色物を引上げ、十分に水洗、乾燥、仕上げします。
〔参考〕 
*ブラックは染着濃度が上がりにくいので15〜20%使用します。
*ブルーGCDは染色後、すぐに一旦、水洗してから空気酸化しないと、本来の色相になりません。
*ピンクRの溶解温度は摂氏70度でおこないます。

スレン染料
耐光性 濃色
耐光性 淡色
濃色では染色浴に無水芒硝を30g/リットル加える
エローGCN 5 3
オレンジGR 7 6  
スカレットGG 7 6  
レッドF3B 8 7
ピンクR 6 5  
ボルドーRR 7 6  
バイオレットFFB 7 6  
ブルー4G 6 5  
ブルーGCD 8 7  
ダークブルーDB 8 7  
ブロンBR 8 7  
ブロンH2RN 8 7  
ブロン3B 8 7  
グレーM 6 5  
 
ブラックSR 8 7