ラナセット染料のデータと価格表を見る(PDF)

ラナセット染料は特に、羊毛を染色するために開発された染料です。絹にも同様に使用出来ます。

 羊毛を化学的に損傷させない処方で染色でき、含金属酸性染料並の高堅牢度を持ち、特に、染着特性の似通った染料群ですので濃度オーバーの染料が入っていて、希望濃度になって、染色途中で引き上げても、希望の色目に近くなります。他の染料の配合では、染着特性がおのおの異なるので、染料が全て布に吸収されない状態では、途中で引き上げると色目が希望の色目と異なることがあります。
又、ラナセット染料の特性そのままに、絹の浸染にも使用出来ます。

ラナセット染料による浸染

 次の助剤を使用します。

◆ラナヒット15
ラナセット染料専用の均染、吸収促進剤です。

◆蟻 酸
染色後に素材を酸くりし、布や糸の風合いを良くします。

---必要な染料、染浴、助剤の決定---

 染色物の重量を計り、染浴の水の量、染料の量、助剤の量を決定します。下記は全て染色物の重量に対しての計算になります。

 水の量(染浴)---淡色から中色100倍〜50倍 中色から濃色 50倍〜40倍
淡色ほど多く、濃色ほど少なくします。

染料の量---淡色で0.3%、中色で1%、濃色で3% ブラックのみ5%必要

ラナヒット15---15%

100gの布・糸に対する染料、染浴=水、ラナヒットのおおよその目安
染色濃度 100gの布・糸に必要な染料量 100gの布・糸に必要な染浴(水)の量
100gの布・糸に必要なラナヒットの量
淡色--布、糸の重量の0.3%の染料で0.3g 染浴の水の量は布、糸の重量の100倍で10リットル 15g
中色--布、糸の重量の1%の染料で1g 染浴の水の量は布、糸の重量の50倍で5リットル 15g
濃色--布、糸の重量の3%の染料で3g 染浴の水の量は布、糸の重量の40倍で4リットル 15g

 

---羊毛・シルクの浸染工程---

○50℃から染色を始めます。染料を10倍程度の熱湯で溶解した液と、ラナヒット15を計量した染浴に加えます。別の浴で水で膨潤しておいた羊毛を軽く絞り、染浴に入れ、撹拌しながら30分位で摂氏90〜100度にします。
○撹拌しながら摂氏90〜100度で30分染色します。
○加熱を終わり、摂氏80度になるまで、撹拌しながら冷やします。
○引き上げ、水洗します。
○蟻酸を水1リットル当たり、2cc入れた液につけ込み、軽くしぼった後、乾燥します。
○更にふっくらした風合いが欲しい場合は、ネオソフターSXの5%水溶液に5-10分漬け込み、軽くしぼってから乾燥します。