浸染(布を高温の染料液に漬け込んで染色)用水溶性防染剤
高温でゴム状の防染皮膜・低温で水に溶解
ホットレジンH−2N
布全体を加熱した染料液に漬け込んで染色する場合に使用できる特殊な防染剤です。後処理は水でホットレジンを落とせますので、Tシャツや小物の染色に便利です。
染料液のの温度が高い(摂氏60度以上)と、ゴム状の皮膜になり、染料の侵入を防ぎ防染し、摂氏30−40度以下になると水に溶解し、これを簡単に落とすことが出来ます。
使用できる染料は高温(摂氏60度以上)で染色できる染料に限ります。シリアス染料(直接染料全般)、ミカノール染料、ラナセット染料、エムマックス液体酸性染料、イルガラン染料(酸性染料全般)です。
レマゾール染料も使用出来ますが、摂氏70−80度になると安定性が悪くなりますので、それ以下で染色します。レマゾール染料は通常は摂氏60度で染色しますが、この防染剤を使用するときは摂氏70度位で染色します。
<使用法>
1)--- 布にホットレジンを筆や刷毛あるいは型で防染したい部分に塗布またはプリントします。この場合、ホットレジンの厚み(糊カサ)が出るようにします。薄かったり、ムラがあると染料が浸透して仕上がりが悪くなります。一旦、完全に乾燥します。ドライヤー等での強制乾燥でも結構です。乾燥すると割れやすくなりますので、丁寧に扱います。
2)--- 摂氏80度以上の熱湯を用意し、布全体を2分間、漬け込みます。これでホットレジンはゴム状の強い被膜になります。冷えると水に溶解しやすくなりますので、すぐに次の染色に入ります。
3)--- 染料液は摂氏70−80度位に加熱しておき、布全体を漬け込みます。軽く攪拌しながら10分程度迄で染色を終了します。10分以上になると染料が浸透しやすくなりますので、染料は通常使用する濃度より濃く作って短時間で希望の濃度になるようにしておきます。
4)--- 布を染料液から引き上げ、湯沸かし器の湯を容器で受け、その中にサンクリンZ(白場汚染防止用洗剤)をおよそ湯1リットルに10−20ccを入れ、湯をあふれ出しながら洗浄し、染料とホットレジンH-2Nを洗い流します。
5)--- できれば各染料、繊維に対応したフイックス剤(耐水堅牢度向上剤)で処理します。
6)--- 軽く水洗して、乾燥、仕上げます。
表面(ホットレジンH-2N印捺加工側)
シルク地 ラナセット ネビーR 5% 液温摂氏80度で10分浸染
裏面
ホットレジンH-2Nは通常、布の片面だけに置きますので、濃色で染めた場合、布裏に染まった色が影になって真っ白にはならない場合があります。(黒色が淡い鼠色や紺色が淡い青など)
写真型などのスクリーン型の場合、ホットレジンH-2Nを10%ほど水で薄め粘度を低くして布裏へ浸透するように印捺し、その上から同じ型で希釈しないホットレジンH-2Nを肉厚ができるように印捺します。
筆や筒でホットレジンを置く場合は、難しいですが布の両面にホットレジンを置くといい場合もあります。 |
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