染色済みの木綿のTシャツなどの部分抜染

  市販の木綿のTシャツなど、既に染まっている木綿製品(ジーンズなどは除く)の特定の部分を白く抜き、その跡にレマゾール染料や、ネオカラーで着色や柄を描いたりします。家庭のアイロンで処理が可能です。

         条件と適応性

●染まっている素材は木綿や、シルクに限定、ポリエステルなどの合成繊維は不可です。
●反応染料(レマゾール染料、プロシオンH染料)、直接染料(シリアス染料)、酸性染料(ミカノール染料)などで染色してあるものが加工できます。藍染め、スレン染料、ナフトール染料などで染めたものには不適です。
 Tシャツの場合は、一般的に反応染料、直接染料で染色されている場合がほとんどです。
●各染料のなかでも白く抜けるものも多いが、抜染性が悪く、黄色く色素が残ったように見える染料もあります
 現実には市販のものは何で染めてあるか、判別がつきませんので、やってみるしかありません。

          必要な物

●型紙やスクリーン型、カッテイングテープなどで抜染する場合
 ◇型用抜染用糊N20
 ◇ロンガリットSFS(還元抜染剤)
 ◇尿素
 ◇アイロン
●筆や刷毛で抜染する場合
 ◇筆用抜染用糊T18
 ◇ロンガリットSFS(還元抜染剤)
 ◇尿素
 ◇アイロン
 

         作業方法

(1)Tシャツ等は、これから使用する薬品が他の部分(特に反対側)に付着しないように、薄いベニヤ板や、薄いスチロール板(100円ショップで売っているもので可)   をTシャツの内側に入れ、布がピンと張る程度に長方形にカットして使用します。
(2)型用抜染用糊N20、又は筆用抜染用糊T18を100として、ロンガリットSFSは10が必要量です。(重量)
  尿素は型用抜染用糊N20、又は筆用抜染用糊T18を100として、5が必要量です。(重量)
  型用抜染用糊N20、又は筆用抜染用糊T18の粘度が高すぎて、使用しにくいと思われるときは、水で薄めておきます。(少し硬い目に、(3)で少し柔らかくなります。)
(3)型用抜染用糊N20、又は筆用抜染用糊T18に尿素の必要量を粒のまま、そして、ロンガリットSFSを水で2倍(重量)にして溶解して加え、攪拌、混合します。
  ロンガリットSFSは、完全には溶け切れませんが、無視して計量した全量を使用します。
(4)実際にTシャツに(3)で作った抜染剤を型や、筆で印奈、あるいは描きます。少し厚みを持たして、一定の厚みがあるほうが均一に抜けやすくなります。
(5)一旦乾燥します。ドライヤーで乾燥してもいいですが、抜ける度合いがムラになる場合があります。
(6)Tシャツを裏返して、厚手のタオルを中に入れ、抜染する部分の裏側をを上にします。
(7)アイロンの中温(150℃位になったもの)で抜染する部分の裏側に当て、焦げないように動かし、3〜5分処理します。
(8)Tシャツを水の中で洗い、抜染剤を落とし、乾燥します。
(9)以上で終了です。乾燥後に、柄を描いたり、着色したりします。  
 
※他にネオカラー樹脂顔料を使用して、Tシャツの色を抜きながら、加工する柄部分を着色できる、顔料着色抜染用のバインダー(手描用ディスバインダーTG、型用ディスバインダーDKT)もあります。

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